「あいさつの大切さ」
仁比山小学校 六年 江越 莉史
「行ってきます」
学校へ行く前、遊びに行く時、この言葉を言って家を出ていますか。ぼくは必ず大きな声でそう言って学校へ向かいます。
去年ぼくは、あいさつはとても大事という作文を書きました。本当にその通りだなということが起こりました。
それは三月三十一日。ぼくには二つ年上のお兄ちゃんがいます。その日は朝からお母さんとけんかして何も言わずに野球の試合に行きました。すると、その試合で大たい骨の骨が折れて救急車で大きな病院に運ばれてそのまま入院することになりました。三回の手術をして、家に帰れたのは六月十四日。二か月半後のことでした。「いってきます」を言わなかったから帰ってこれなかったんだよ…とお兄ちゃんもお母さんも言っていました。
「いってきます」は、「行きますが必ず帰ってきます」という言葉を省略した言葉だそうです。江戸時代にすでに「行って参いります」が使われていたことから、昔は旅をすることや夜道を歩くことも命がけだったので「行って参ります」と言うことで、大切な人に対して「必ず帰ってくる」という誓いを立てていたと考えられています。また送りだす側は「行ってらっしゃい(無事に行って帰っていらっしゃい)」と言うことで、相手の誓いに対して思いを重ねていたのです。
「いってきます」「いってらっしゃい」は日本語だけの言葉で英語や他の国の言葉に訳すことができないそうです。日本人は昔の人もぼく達も相手のことをいかに大事に思っているのか分かりました。
ぼくは、他のあいさつにも意味があるのではないかと思い少し調べてみました。ぼく達が普段使っている言葉といえば「ありがとう」です。「ありがとう」は本来「有ること」が「難しい」という意味を持っており、滅多にないことや貴重であることを指します。その後、貴重な出来事に対しての感謝の言葉となり、ぼく達が普段使う「お礼の言葉になりました。反対の言葉は「当たり前」だそうです。
そもそも、「あいさつ」という言葉はどこから来たのでしょう。「あいさつ」は禅を修行しているお坊さん同士が出会ったとき、相手がどこくらい悟りの道を進んでいるのか確かめるやり取りを意味する「一挨一拶(いちあいいっさつ)」が短くなって「挨拶」になりました。「一挨一拶」は相手が」仲間かどうかを確認するためのもので、わたしはあなたの敵ではありません、という意味もあるそうです。
家族だけでなく、地域の人にあいさつすることで、ぼくはあなたの仲間です。今日も元気に行って帰ってきます。という意味も込めて、今まで以上にあいさつを大切にしていこうと思いました。こういった考えの人が増えたら、よりよい社会になるのではないのかな、
と思います。