神埼地区保護司会

新着 社会を明るくする運動作文

私の大切な妹
  千代田中学校 一年   山邊 詩乃
 みなさんは、障がい者の人たちにどのような接し方をしていますか。私の妹は身体障がい者です。正しくは、十八歳未満なので、「障がい児」です。障がい児のすずのは、心臓の病気を持っていて、左足を動かしにくいという特徴があります。それでも、毎日たのしく、近所の保育園に通っています。その保育園の運動会でとても感動した出来事がありました。それは、みんなと同じ速さで走ることができないすずのに、同じクラスの子や、先生方が温かく応援していたことです。さらに、すずのの後の子たちは、最後まであきらめずに走りぬいてくれました。お母さんに運動会のことを聞いた時、先生が運動会にどのような工夫をしていてくれたのかを話してくれました。一つ目は、かけっこです。かけっこでは、すずのを第一走者にしてもらい、第一走者はゆっくり走り、第二走者から全力で走る、というルールを考えてくださいました。また、すずの以外の第一走者は、もう一度順番がまわるので、すずのもみんなと走れて楽しくみんなもすずののところで差があまり開かないので、満足できる競技になったと思います。二つ目はオープニングです。年長さんには毎年運動会の一番初めに、みんなで協力して披露するお遊戯があり、それを「オープニング」といいます。そのオープニングを、マーチングにするか、組体操にするか悩んでいたそうです。しかし、もしマーチングになったときに、みんなは輪になって歩きますが、それについていけないすずのは、旗を持って立つという、みんなとは違うことをすることになります。なので、先生方は先生が側にいても変ではなく、すずのにできるポーズを取り入れることもできる組体操にするという工夫をしてくださいました。三つ目は一昨年の、すずのが年少の時の運動会での障がい物競走です。みんなは走ることができましたが、そのころのすずのは、今の半分の速さで歩くことしかできませんでした。なので、すずの用にカートをつくってもらい、お母さんに引っ張ってもらうということをしてもらいました。
 すずのの先生方は、「できないからみんなと違うことをしようね」とするのではなく「どうやったらすずのも参加できるかな」「どうやってクラスのみんなも納得できるような競技にできるかな」という前向きな考えをしてくれました。もちろん、「すずのちゃんがチームにいると負けるからいやだ。」という子もいました。その子に対して声かけをしたり、折り合いをつけたりなど、すずのと同じチームの人を納得させてくださいました。
 その結果、すずのも、みんなも心から楽しむことができる素晴らしい運動会になりました。
 この保育園の先生方はすずのもみんなと同じことができるように一生懸命考え、行動に移してくださいました。
では、みなさんはどうですか。
 障がい者に対して差別をしたり、どうしてもできないことに対して文句をいったりしていませんか。私は何度か、「あなたはみんなみたいに走ることができないから、そこでみておいて。」などと障がい者に対し言っている人を見たことがあります。言った人は障がい者のことを考えて言ったのだと思います。では、少しでも、言われた人の気持ちは考えたのでしょうか。私は、言われた人が、「みんなと一緒に走りたかったな。」と思っているように感じました。
 すずのが楽しく運動会を終わることができたので、小学校、中学校、そして社会でも、障がい者のみなさんに対して、同じような「思いやりの心」を持って接することはできると思います。
 相手の事情、気持などをすべて理解することは不可能です。しかし、「この人は何かあるんだろうな。」と察することはできると思います。
 SD GS の目標10「人や国の不平等をなくそう」のターゲット2では、「すべての人が、社会的にとり残されないようにすすめる。」とあります。全員が楽しい生活ができ、なおかつ、SDGsも達成できる社会を目指していきましょう。
 一人一人の個性を認めることができる、心の広い人がたくさんいて、だれもとり残されない、そんな世の中にしていきたいです。

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