”社会を明るくする運動” 作文コンテスト
「小さなつながり」 千代田中 一年 原 花音 (当時)
朝、テレビを見ていると、殺人や交通事故、いじめや非行などの様々な暗いニュースが毎日、毎日耳に入ってきます。「どうしたらこう言った事件を防ぐことができるのか」「私には何ができるのだろうか」と思います。
罪を犯す人のなかには「生きづらさ」を感じている人がいます。インターネットでデーターを調べてみると、罪を犯した人の7割は仕事が無く、2割は住居がないそうです。こういった人たちは、出所後社会復帰をしようと思っても前科を知られ、仕事に就けずに孤立してしまいます。現在の再犯率は、約48パーセントです。つまり、約半数の人が再犯者ということです。
私は再犯者を減らすことが大切だと思います。再犯者を減らすための支援について調べてみると、平成28年に「再犯防止を進めるための新しい法律」ができたことがわかりました。しかし、再犯者を減らすためには具体的に何をすればいいのでしょうか。ここで私は、大分に住む祖父から聞いた話を思い出しました。
祖父の近所に、窃盗をしたことがある人がいるらしく、その人は何回も犯罪を繰り返しているらしいです。そのたびに、警察に逮捕され刑務所に入ることもあったそうです。その人がなぜ罪を繰り返すかというと一人で生活をしていくためのお金がないからだそうです。そのために仕方なく窃盗をせざるを得ないそうです。また、その結果、刑務所などに入れば「冬でも暖かい部屋で過ごせて、ご飯もだしてもらえる」と言っていたそうです。
私はこの話を聞いて、生活のために罪を犯してしまう人がいることは切ないことだと思いました。 祖父にその人は今どうしているのか聞いてみると、地域のみんなで支えているそうです。例えば、その人ができる草刈りなどの仕事をお願いして、地域で働いた分のお金をだしているそうです。ただ生活費をあげるのではなく、頼ったり頼られたりすることで、人間関係を切らないようにしているそうです。
私は地域の力は大きいと思います。私の地域では朝、見守り隊の人が立ってくださっています。毎日私に明るく挨拶をしてくれます。下校時にも地域の人が「おかえり」と言ってくれます。ある日、私が落ち込んでいるとき、いつものように地域の人が挨拶をしてくれました。その時いままでに感じたことのない感情がこみあげてきました。その時私は、「地域の力ってこんなにも大きなものなんだ」と思いました。今までは挨拶をされるから私も挨拶をする程度でしたが、それからは、自分から挨拶をするようになりました。「笑顔で挨拶をすると、相手も笑顔で挨拶をしてくれる」という感覚が気持ちよかったです。今は、マスクで顔が見えないので明るい声で挨拶をするようにしています。私は、罪を犯してしまった人に地域の力に居場所があることを知ってほしいです。
私にできることは小さいものだけど、みんなが小さなつながりを切らない努力を続けていけば、きっと世の中から犯罪が減ると思います。